ベトナム株を現地で投資してはや半年。ホーチミン在住ブロガーの苔-こけ-(@mossflash2)ですッ(*’ω’*)
ベトナム株への投資額も50万円を超えて、「これは本格的に投資先の企業分析をせねば!!」と本腰を入れて書き始めたのが本記事となります。
ベトナム企業の財務諸表をサクッと分析する本記事の主旨
本記事の主旨は次の通りです。
- 小難しい(しかも、ベトナム企業&英語記載)の財務諸表をベトナム株に関心のある人に分かりやすくサクッと解説します。
- 比較しやすいように、同業界で日本を代表する企業の同時期決算を記載しております。
- 本記事で公開している財務諸表は、VND建ての場合210VND/円、USドル建ての場合110円/USDとして日本円に換算にて記載しておりますのでご了承ください。
- 表中の記載の金額は全て、百万円単位としております。
ベトナム株投資の第一鉄則(ただし国営企業はその限りではない)
ベトナム企業の多くは未だに財務諸表を公開していない、もしくはベトナム語のみ or HPでものすごく見つけにく場合が多いのです。(=投資家アンフレンドリー)
その中で、次のようなベトナム企業は海外投資家からの信頼も厚くなり、今後、ますますの株価上昇に期待できるのではと考えています。
・かつ、英語verがあれば尚良し
・さらに、決算説明資料があれば素晴らしい
ただし、ベトナム国営企業については上記に該当しないものが多いです。私も国営企業のペトロベトナムガス(GAS)を保有していますが、財務諸表を探しても見当たりませんでした。。。
ベトナムの不動産最大手デベロッパー「ビングループ」とは?!
まずは、簡単にビングループをご紹介します。
- 不動産開発のベトナム最大手。ホーチミン市場(日本でいう東証)へ上場中。
- 創設者のファム・ニャット・ブオン氏を会長とするジョイントストックカンパニー
- 2017年度売上:89,350(十億ドン) ≒ 約4,500億円
カンタンに言うと、ベトナム随一のエクセレントカンパニー!! ベトナム人なら知らない人はいないというほど有名な企業です。
2018年第3四半期(1月~9月)までの最新業績はこちら!!
早速、本業の儲けを示す営業利益を見ていきましょう!!
2018年第3四半期(9ヶ月間)時点での業績は次の通り。
- 売上:約4,000億円(対前年同期比+47%)
- 営業利益:約440億円(対前年同期比+31%)
まとめ①…2017年本決算時の売上が約4500億円だったことから、今年2018年も”増収”はほぼ間違いないと言っていいでしょう。
まとめ②…営業利益についても前年同期比+31%で推移していることから、2018年も引き続き”増益”となることが予想されます。
日本の不動産デベロッパー最大手の三井不動産と比較しても営業利益率(約10%弱)はほぼ変わりません。(売上について三井不動産は6か月間の合計となる為、比較できず。*ベトナム企業の多くは1月~12月を1年として、12月末を本決算しています)
ビングループってどんな事業をやってるの?! ~事業別損益について~
次に示すのがビングループが手掛ける、事業ごとの売上高とその粗利です。
それでは事業ごとに特徴をみていきましょう!!
不動産販売事業

引用元:https://media.vinhomes.vn/storage/vinhomes-2018/bds-ban/west-point/anh-minh-hoa/anh-dai-dien.jpg
ビングループのメイン事業となるのがこの不動産販売事業。売上比率は全体の約67%。粗利率も31%と安定して収益を生み出していることが窺(うかが)えます。
ビングループでは”Vinブランド”で戸建て~複合型都市まで建設・販売しています。
ベトナムでは非常に知名度が高く、販売する不動産ターゲットは高所得~ミリオネア向けが多いです。同ブランドのマンションは海外資産家にも非常に人気で多数購入されてるよう。(海外投資制限があり、マンション1棟につきMax○○室まで海外オーナー所有可というルールがあります)
ベトナムの都市部ですら依然、開発が進んでいないエリアも多く残されているので今後も都市開発→販売の好循環は続くと思われます。
リース・賃貸事業
引用元:http://vincom.com.vn/vi/su-kien-khuyen-mai/vincom-ra-mat-05-trung-tam-thuong-mai-moi-trong-ngay-2412?show=vincom
”VinMalls”というブランドで商業施設を運営。そこに入るテナント料などが主な収益に。他の事業と比べ、売上比率は低い(約5%)ものの、粗利率が高いのが特徴。
自らモールを建築しそこにテナントを招聘し賃料をもらう、まさに日本のイオンモールとよく似たビジネスモデルをベトナムで構築・運営しています。
小売り・流通事業

引用元:https://www.adayroi.com/vinmart?origPage=vinmart
”Vin-mart” ブランドでベトナム全土に、Vinグループ系列のスーパーを急拡大中。M&Aにも非常に積極的で、2018年10月には地場スーパーの「ファビマート」を買収。
この買収により、ビングループの小売チェーンは「Vin-mart」100カ所、コンビニエンスストア「VinMart+」1,400カ所となり、ベトナム国内最大規模となることが報道されています。
すでに、スーパーマーケット分野ではベトナムシェアNo.1になっています。
エンターテインメント事業

引用元:https://www.vinpearl.com/luxury-da-nang/ja/
観光地として有名なビーチリゾート・ダナン(ベトナム中部)やニャチャン(〃中部)で複合レジャー施設”Vinpearl”でホテル・レジャー施設を展開。
宿泊した同僚によると、中華系・ロシア系の富裕層が大挙として押し寄せているとのこと。ゴルフ場も併設されており、冬季にはクローズされる日本・韓国のゴルフプレーヤーに大人気とか。
その他

引用元:https://vinfast.vn/
唯一大きな赤字を出しているこちらの分野。なにをしているかというと、自動車分野に”Vin-fast”ブランドとして参入。2019年にベトナム国産車の製造・販売を計画しております。
その為、現在は売上はほぼなく、大きく投資を行っている状況です(なので、第3四半期時点で、このカテゴリーは約95億円のマイナス)。
しかし、同時並行で進めている電動スクーター「クララ」は、すでに2018年11月からベトナム全土で販売をスタート。今後のこちらのVin-fast事業の成否によって、ビングループの株価も大きく影響されそうです。
投資におけるグッドポイント
以上から私の考えるビングループへの投資の魅力を挙げてみます。
- 売上高がすでに日本第7位の野村不動産と同規模までに成長。
- 都市部もまだ未開発地域が多く残されており、継続して開発が見込めそう
- 圧倒的ブランド力で事業多角化・安定化を進めている
ベトナムの民間企業では断トツ一位のビングループ。国営企業がベトナムの中でカリスマ的オーナーのスピーディーな事業展開も好感できるポイント。
HP上で四半期ごとの決算短信のHP上での公開、決算説明を行っていて、投資家に対する真摯な姿勢もうかがえます。
投資する際に、気をつけたいポイント
一方で、投資する上で気を付けたいポイントは次の通り。
- 借入金利が高い *ベトナム自体がそもそも7%~10%の高金利(日本:1%以下)
- ベトナムの不動産ブームがやや過熱気味
- 自動車事業(Vin-fast)の成否が株価に影響しそう
すでに数年前に一度、不動産バブルがはじけているベトナム。また最近では家賃の高騰や物件の転売などが話題になっているので、不動産ブームの過熱感には要注意かと思っています。
最後に
今回の「ビングループ」は私がベトナム株投資開始直後から定期的に買い増している期待銘柄の一つ。
旧態依然とした国営企業がひしめくベトナム市場で、ひと際際立っている民間企業の雄の今後の事業展開・成長が楽しみな銘柄となっています。
*投資はご自身の判断と責任の下、度を超えない範囲で行ってくださいね(^^)/
「財務諸表から読み解くおすすめベトナム株」第2弾は、AKB48の姉妹グループSGO48現地運営会社の「YEAH1(イエーワン)グループ」です♪

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